「君が代」強制解雇裁判 元教員の請求棄却

 これは最悪の判決だ


 職務命令に反して、卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかったことで、定年後の再雇用を取り消され、事実上解雇された元東京都立高校の教員10名が、都を相手に地位確認と損害賠償を求めた裁判の判決が2007年6月20日、東京地裁でありました。

 佐村浩之裁判長は、「起立・斉唱の職務命令は、思想・良心の自由に反しない」として、原告の請求を棄却しました。原告は、不当判決だとして控訴する意向です。

 都教委が起立・斉唱を強制し、全校長に職務命令をださせ、卒・入学式に多数の職員を派遣して監視させたことに対して、判決は「やむをえないことであった」としており、「必要かつ合理的な関与・介入は禁止されない」としています。

 しかし、旧教育基本法第10条1項にあるように、戦前の反省に基づいて、行政や政治権力が教育への不当な支配をしてはならないとしており、今回の都教委の行動は、まさに「不当な支配」です。

 以前私たちの会に講演に来ていただいた、太田淑子さんは、「おかしいと思うときは、おかしいと言っていいんだよと、裁判を通じて子どもたちに訴えたかった」と述べています。

 教育に関わるものとして、この国の行く末を案じていればこその不起立行動です。誤った方向に進ませないために、みなさんとともに奮闘することを誓うものです。

(被処分者の会会員Y)